無数のカメラが通行人の顔を識別し、その行動を追跡する。そんなSF映画のような実験が、4月からJR大阪駅で始まる。1日の乗降客は82万人。顔認証技術を用いて位置情報を取得する、 これほど大規模な実験は珍しい。位置情報をビッグデータとして活用する試みは今後、防犯対策などにも広がりそうだが、気になるのは、行動を把握される当人が本当に納得しているのかどうかだ。 実施するのは独立行政法人・情報通信研究機構(東京)。JR大阪駅と駅ビル「大阪ステーションシティ」のうち、地下1階から3階までの改札やコインロッカー、エスカレーターや店舗などに90台のカメラを設置。カメラは3メートル四方にいる人物の顔を撮影すると顔の特徴を抽出してIDをつける。別のカメラが同一人物と認識すると位置情報や時間を登録。その人物の行動履歴を1週間分記録する。顔認証システムを納入した業者によると、個人識別率は99・99%という。 JR