英国ではコロナのワクチン接種率が日本と比べてはるかに高い。それゆえワクチンによる免疫がどれだけデルタに対して有効であるかが夏の流行の結果を左右する。そしてこの夏の英国の結果がパンデミックからの出口戦略の試金石になる。 まず重要な点につき述べると、これは英国の世界的に見ても極めて高いワクチン接種率ゆえの特殊事情であり、日本の少ないワクチン接種の現状ではあてはまらないことばかりであることに注意すべきである。しかしながら、今後の日本の行く末を占ううえで英国の状況は注視すべきである。 ジョンソン首相の博打 本年7月19日、英国政府はデルタ株(いわゆるインド株)流行のただ中、毎日数万人の感染者がでているにもかかわらず、封鎖を全解除し社会を「正常化」する決断をした。 英国では5月ころからのデルタ株流行による感染者の増加、流行の再燃にもかかわらず、重症化・死亡者の数が感染者数に比べて少なく推移してきた。