がん対策基本法の制定以来、がんの患者さんに対しては、病気そのものの治療とは別に、痛みをコントロールすることの大切さが認識され、痛みに対して積極的な治療が実施されるようになってきました。 痛みに苦しんでいるのはがん患者さんだけではないはずですが、その他の病気では、たとえ激しい痛みであったとしても痛みに対する治療は軽視されていると私は感じています。 そのため、とりわけ原因の特定できない痛み、いわゆる線維筋痛症やCRPS、脊髄損傷後の疼痛、重度の非特異的腰痛などの患者さんは、激痛に苦しみながらもわかってもらえず、どこへ行っても診てもらえないという言わば「痛み難民」となってしまう場合が少なくありません。(1)