桃田 健史(ジャーナリスト) 【第1回】 2009年06月23日 日本の電気自動車コア技術が流出する!? アメリカで始まった電池バブルの凄み 電気自動車やハイブリッド車などのエコカー分野で出遅れたアメリカがなりふり構わぬ公的助成金の積み増しで、世界各国の電池・素材メーカーをひきつけ、猛烈な巻き返しを図ろうとしている。序盤戦を制した日本も、うかうかしてはいられない。今のように強力な調整役が官民ともに不在のままだと、電池技術の流出に拍車がかかり、量産時代の果実はすべてアメリカに奪われるという事態にもなりかねない。 自動車用蓄電池に関わる世界中の技術者が一堂に会するAABC(Advanced Automobile Battery Conference)の第9回会議は6月上旬、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外で開かれた。総勢850人が出席した同会議には日本の電池産業や自動車産業からも多くの関係