非モテ人間は現代の被差別階級なのか? 異性を発情させるのがそんなに偉いの か? 文学を手がかりに、いっそ、非モテライフをエンジョイする方法を探っていこう! 今回のテキストは、自意識過剰文学の先人、中島敦の自伝的短編です。 国語の教科書に登場する鬱フレーズNo.1といえば、なんといっても「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」(『山月記』中島敦)ではないでしょうか。自分の詩才を内心誇りながら、才能のなさが露呈することを恐れて詩友と切磋琢磨することをせず(臆病な自尊心)、世俗に与することを恥じるがゆえに一般人に尊大な態度をとってしまう(尊大な羞恥心)李徴。高校時代には「いきなり虎にさせられて超カワイソー」くらいにしか思わないにしても、年をとればとるほど重くのしかかってくる話です。せっかく「博学才穎」で「豊頬の美少年」だったのに、自意識過剰ゆえに虎になっちゃうなんて……。自意識過剰といえば、しばしば非モテ