ムソリーニも極左活動家だった ファシズムの始祖・ムソリーニは、もともとイタリア社会党の党員でした。つまり、左翼活動家だったのです。 しかもただのヒラ党員ではなく大幹部で、29歳にして党中央機関紙『アヴァンティ』の編集長に抜擢されています。この役職は、中央集権的な党組織がととのっていなかった当時のイタリア社会党においては、党全体の活動方針に最も大きな影響力を発揮できるという意味では、形式上の党首をしのぐほどの地位であったと云えるかもしれません。 さらに云えば、当時の社会主義運動は、社会民主主義的な「右派」もマルクス主義的な「左派」も、たいていの国ではとりあえず一つの政党にまとまっており、イタリア社会党も同様だったのですが、まもなくファシズム運動の指導者となるムソリーニは、実は「右派」ではなく、それどころか党内の極左派を代表する指導者だったのです。 このこと一つとってみても、ファシズムが単なる