◇最貧バングラで「1ドル衣料」 ユニクロを展開するファーストリテイリングは、バングラデシュのグラミン銀行と組んで現地での雇用創出などを目的とする「ソーシャルビジネス」に乗り出す。途上国での「ソーシャルビジネス」は、企業の社会的責任を重視する欧米で盛んだが、日本企業の本格的な取り組みは少ない。格安の衣料品でデフレ時代の「勝ち組」となったユニクロだが、安価な労働力を供給している貧困国の生活水準向上に貢献することで、ユニクロが推進する海外展開を円滑に進めようという現実的な判断もあるとみられる。【井出晋平】 「バングラデシュで社会貢献のソーシャルビジネスをやりたいと思った」。ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は13日の会見で語った。バングラデシュの主要産業は縫製業で、安い労働力に着目した世界の衣料品メーカーの生産を請け負っている。同社の世界全体生産量の85%は中国で、バングラデシュはまだ数%