トップ > 社説・コラム > 社説一覧 > 記事 【社説】 ユニクロ合弁 経済が南北を近づける 2010年7月20日 「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが、アジア最貧国といわれるバングラデシュで合弁会社を興す。相手はあのグラミン銀行。社会の仕組みが大きく変わりそうな予感をはらむ。 グラミン銀行は大学教授だったムハマド・ユヌス氏が、一九八三年に創設した。貧困層に、事業資金を少額だが無担保で融資する機関。年利20%でも、返済率は100%に近い。金のやりとりが目的ではなく、例えばミシンや糸を買ってもらい、働く場を提供する。二〇〇六年、ユヌス氏とともに、ノーベル平和賞を受賞した。国際社会の信頼は厚い。 そのグラミン銀行が1%、ファーストリテイリングが99%出資して、十月に資本金十万ドル(約九百万円)の合弁会社を設立する。 合弁会社は、良質な衣類を現地で一貫生産し、販売員が農村を回って一枚