STAP問題の社会、経済、政治を巻き込んでの、混乱。これが問題であるというのは、間違いありません。「研究者倫理の問題」と「STAP現象が本当にあるのかという科学的関心」という2点が本質的に重要な問題です。更に、これらについての理研の対応、理研の広報を始めとするコンプライアンスとガバナンスの問題、ジャーナルを通じた科学研究発表のあり方、科学者コミュニティのあり方、そしてそれに過剰に反応する社会など、様々な問題が噴出してしまったという感があります。 ただ、米国からですと、日本の状況は、ほとんど目にすることもないので、幹細胞の研究者など、一部の研究者以外には、そんなに大騒ぎするような問題ではないと思います。これで、例えば、「日本の科学技術の信頼が問われている」とか、「大学院教育が信用されなくなっている」とか、そんなことはないでしょう。日本の過去の研究は、このような1つの問題で、すべてがなくなって