カブトガニと一緒に泳ぐコガネシマアジ。(PHOTOGRAPH BY LAURENT BALLESTA) 先のとがった尾剣や鉄兜のような甲羅、脚に付いた鋭いはさみ。そんな姿をあまり変えることなく、カブトガニ類は約4億5000万年もの間、海の底をはい回ってきた。恐竜たちの命を奪った小惑星の衝突では首尾よく生き延びたが、人間の所業をかわすのは難しいかもしれない。 ギャラリー:4億5000万年前から海の底で生きてきたカブトガニ ほかの海洋生物と同様、カブトガニ類も乱獲されたり、産卵場所を破壊されたりしてきた。さらに、その青い血液にはワクチンを作るのに欠かせない希少な凝固剤が含まれることから、大量に捕獲されてもいる。人間のために血を抜かれた個体が命を落とすことも多い。 4種いるカブトガニ類のうち、日本で一般にカブトガニと呼ばれている種は、過去60年間で個体数が半分以下になった。だが、フィリピンの小さ