コンゴ民主共和国で産出されたコバルト。EV車に使われるリチウムイオン電池に必要な鉱物だPhoto: Ashley Gilbertson/The New York Time 世界が「脱炭素」に舵を切るなか、注目を浴びるEV(電気自動車)産業。だが、EVに欠かせないリチウムイオン電池に使われる鉱物コバルトは、奴隷のような待遇を受けるコンゴの人々によって採掘されている。劣悪な労働環境の実態を英紙が取材した。 【画像】時給46円…環境に優しいEV車のために“奴隷労働”させられるコンゴの人々 鉱山企業と労働者は“主人と奴隷”ピエール(仮名)にとって、テスラやルノー、ボルボといった有名企業の名前は何の意味も持たない。彼はEV(電気自動車)の存在すら知らない。 それでもピエールは毎朝、砂ぼこりが舞い、喧騒に満ちたフングルーメの街で働く。フングルーメは、コンゴ民主共和国南部の鉱山地帯の一角にある。ピエール