日本社会から切り捨てられた人々がベッドを埋める精神科病院──その暗部を描いた演劇「精神病院つばき荘」が人気を集めている。昨年暮れの東京・新宿での初演以降、各地で上演が続いている。 登場人物は男性患者、院長、看護師の3人。劇が進むにつれて、彼らの心の軋みや日本社会の歪みが露わになっていく。つばき荘はなぜ、庭に一輪の花も咲かないのに「つばき」なのか。約2時間に及ぶ劇の終盤で、驚きの事実が明らかになる。 脚本を書いた劇作家で精神科医のくるみざわしんさんに話を聞いた。 約2時間に及ぶ演劇『精神病院つばき荘』で難役を演じる役者たちと、くるみざわさん。左から土屋良太さん、くるみざわしんさん、川口龍さん、近藤結宥花さん(2019年9月28日、静岡県伊東市のひぐらし会館) 男性患者が、実際に発した言葉から 「この病院は注射の上手な人から辞めてゆきますな」 入院生活40年に及ぶ男性患者・高木(川口龍)のそん
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