中国漁船が尖閣付近の日本領海に侵入し、海上保安庁の船の停止命令を無視して、2度も体当たりをしてきたという事件は、最終的に日本側が中国の脅しに屈する形で、拘留していた中国船の船長を日本の法的手続きをねじ曲げるようにして釈放してしまった。「日本の屈服」とか「日本の敗北」という評がしきりである。 だが、災いを転じて福となす、とでも言うのだろうか。日本の屈辱的な譲歩にもかかわらず、米国政府は同盟パートナーとしての日本への支持を、予想外の明確さで表明したのだった。だから米国では、今回の日中対立は「中国側の敗北」だと評する向きも少なくない。 米国は「日米で尖閣諸島を共同防衛する」ことを認めた そうした評価を下す1人は米国の国防大学上級研究員のジム・プリシュタップ氏である。同氏は日本やアジアの安全保障の専門家で、下院外交委員会の民主党スタッフから出発して、国務省や国防総省で日本を含む東アジアの安保問題を