今回は珍しく書評を書く。それもよく僕本人と間違えられるという設定でお馴染みの人が筆者である新刊だ。 鈴木さんにも分かるネットの未来 この本はスタジオジブリの機関誌「熱風」という一般には販売されていない雑誌で1年以上にわたって連載されたものを単行本化したものである。 この連載がどういう風に世間に受け止められるかをぼくはわりと注目していた。なぜかというと、これはネットは門外漢であるスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーにネットの現在と未来を説明するという体でありながら、おそらくは当時はだれも指摘していなかったネットの実態と未来予想について筆者が本音を自分で執筆した本だからだ。 筆者のこれまでの本はすべてインタビューをまとめた本であり、喋っていることもわりと簡単なことばかりでそれほど難しい理屈も出てこない。 しかし、この本は聞き書きではなく、筆者がかなり時間をかけて自分で文章を書いた本であり、読