前節「4-3. 増幅回路の動作原理」で、増幅回路が正しく動作するために適切にバイアス電圧を与える必要があると述べました。その適切なバイアス電圧を求める方法の一つに「負荷線」を利用する方法があります。このページではトランジスタを用いた増幅回路の負荷線の引き方について説明します。 1. 負荷線とは 前節「4-3. 増幅回路の動作原理」で述べたように、図1 (a) のようなトランジスタを用いた増幅回路は適切なバイアス電圧を与えなければ信号電圧を正しく増幅することができません。 図1 (a) はバイポーラトランジスタと抵抗で構成されるエミッタ接地増幅回路です。そして図1 (b) は、トランジスタの静特性である Ic - Vce特性です。MOSトランジスタの静特性も図1 (b) と同様の特性となるため、前節で説明したソース接地増幅回路に関してもこれから説明する内容は当てはまります。(トランジスタの静