サッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会で、日本対オーストラリア戦が行われた先月12日。仕事が長引いた都内の会社員、桑野純さん(30)は、NHKが生中継した午後10時過ぎからの試合を、帰宅途中の電車の中で観戦した。 イヤホンを付けて見入ったのは、購入したばかりの携帯電話。移動端末向けの地上デジタル放送「ワンセグ」が受信できる機種だ。大画面の迫力はないが、デジタルだけに画像は鮮明。「電車に乗っていても十分に満喫できた。サッカー以外でも、外でナイターや格闘技などをリアルタイムで見られるのは魅力」と話す。 今年4月にスタートしたワンセグは、「いつでも、どこでもテレビ」がキャッチフレーズ。携帯画面で固定型テレビと同じ番組が無料で視聴できる新サービスは早くから、W杯開催が「普及の起爆剤になる」(TBS・井上弘社長)と目されていた。 W杯効果ワンセグ100万台 スタート当初、「70万台が出荷され、5