ストレスは脳を小さくする。そして記憶や発話、感情の制御といった機能に問題を生じさせる。 ストレスを感じると、まず脳の扁桃体が反応し、視床下部→下垂体→副腎へと身体の上から下へ刺激が伝わる。副腎から「コルチゾール」というホルモンが分泌されると、動悸は激しくなる。この一連の反応はほんの1秒ほどで起きるが、これは人類の生存に欠かせないからだ。生存の可能性を増やすものがあるとすれば、危険な状況に出くわしたとき、ただちに逃走をうながす警報システム。扁桃体の機能が、まさにそれにあたる。 扁桃体は、ストレス反応を引き起こすだけでなく、そのストレス反応によっても刺激を受けてしまう。扁桃体が危険を知らせ、それに反応してコルチゾールの血中濃度が上がると、扁桃体がさらに興奮する。ストレスがストレスを呼ぶ悪循環だ。 体内には、このストレス反応を緩和し、興奮やパニック発作を防ぐブレーキペダルが備わっている。その1つ