重大な性犯罪が起きると、きまってSNSには「レイプが性欲によるものだというのは神話」「レイプ神話はいまだに社会にはびこっている」「レイプは性欲が原因ではない、支配欲が原因」みたいな書き込みがなされて広まるっていう傾向があるように思いますが、これはちょっとどうかという感じです。 この「レイプ神話」については最近ちょっと文章書いたので、その一部を貼っておきます。 1960年代後半からのいわゆる第二派フェミニズムの最大のテーマの一つが、女性に対する暴力、特に性暴力の根絶である。 先進国での1960年代の「セックス革命」以降、青少年が多彩な性的な関係をもつことは珍しいことではなくなったが、それは同時に女性を性暴力に晒すことにもつながった。1975年のマックウェラーの『レイプ:異常社会の研究』は1960年代の犯罪学の成果から、性犯罪の実態を広い読者層に知らせ、またブラウンミラーの『レイプ・踏みにじら