「子どもや家族が口にする物には誰でも気を配る。それを、身内だけでなくすべての人に対して誠実であることがサステナブルだと思います」。完全無農薬で栽培したブドウで完全無添加のワインをつくる「武蔵ワイナリー」(小川町)代表の福島有造さん(53)は、自らの理念をそう語る。 福島さんが手がけるのは、ブドウの栽培から醸造過程まで一切の添加物を使わないワイン。2011年にブドウの苗を植え、19年に自前の醸造所を建設し、20年に完全自家製造のワインが完成した。 農園では、農薬や殺虫剤だけでなく、農林水産省の有機JAS規格で許容されているボルドー液(硫酸銅と生石灰を混合した殺菌剤)も使わない。醸造所では、酸化防止剤の亜硫酸も、一定の味にしやすい培養酵母も、一切添加しない。