ビチェンツァ基地の拡張に反対して基地の周囲をデモ行進する市民ら=「スタンディング・アーミー」から「スタンディング・アーミー」を制作したパレンティさん(左)とファツィさん=ローマ市内、南島写す 【ローマ=南島信也】なぜ米軍は反対を受けながら、世界中に基地を展開しているのか――。イタリア国内にある米軍基地の存在から、素朴な疑問を持った映像カメラマンの若者ら2人が、基地の意味を問い直すドキュメンタリー映画を制作した。米海兵隊普天間飛行場があり、よく似た構図が存在する沖縄県も取材。基地周辺住民の声を丹念に拾っている。 作品のタイトルは「スタンディング・アーミー(常備軍)」。フリー映像カメラマンのエンリコ・パレンティさん(31)と、翻訳家のトーマス・ファツィさん(28)が制作した。 きっかけは2007年1月、伊政府が北部ビチェンツァにある米軍基地の拡張計画を承認し、市民による激しい反対運動が起