欧州の大西洋北東海域のサバ漁をめぐり、アイスランドとデンマーク領フェロー諸島が一方的に漁獲枠を大幅拡大。これに対し英国やノルウェーなど周辺国が猛反発し、欧州連合(EU)を巻き込んで対立が激化している。1950〜70年代のタラ漁をめぐるアイスランドと英国の紛争の再現ともいえる「サバ戦争」に発展しかねない状況だ。 英メディアによると、アイスランドは「豊漁」などを理由に、今年の漁獲枠を6・5倍の13万トンに拡大。フェロー諸島も3・4倍の8万5千トンとし、国際海洋探査委員会が推奨する漁獲枠を全体で35%上回る見通しとなり、周辺国で「資源枯渇」への懸念が一気に高まった。 ノルウェーは国内の加工業者に、アイスランドとフェロー諸島からのサバ買い取り禁止を要請。スコットランドの漁師は、フェロー諸島の漁船の荷揚げを妨害する実力行使に出た。 EU欧州委員会は「来年の漁獲枠交渉に応じない可能性もある」と警告する