森繁久彌さんは、旧満州の空へ…… | しゃおりんの何でもウオッチ名優・ 森繁久彌 さんが振り返る人生を、演出家で作家の 久世光彦 （くぜ・てるひこ） さんが軽妙な聞き書きエッセイとしてまとめた 『大遺言書』 （新潮社） のシリーズが大好きだった。 『週刊新潮』 に連載されていたころから愛読していたから、かれこれ７年余りも親しんできたことになる。 とりわけ 森繁 さんがＮＨＫにアナウンサーとして入局し、旧満州 （現中国東北部） の 「新京中央放送局」 に勤務したころの話などは夢中で読んだ。 時代は違うが、同じ大陸に住む者として、強い共感を覚えたからかもしれない。 「このところ、満州のことを懐かしく思い出します。 満州と気が合うんでしょうね。 若いころも自分に似合ったところだと思いましたが、いまこの年齢（とし）になっても、そう思います。 これだけ長いこと生きていると、自分の人生が、掴みどころのない茫漠としたものに見えてきます。 つまり、満州の茫漠と似ている
