台風21号が今月4日に近畿地方を通過した際、大阪湾に停泊していた51隻の船舶のうち、6割を超える33隻がいかりを下ろしたまま強風で流される「走錨(そうびょう)」を起こしていた可能性の高いことが、若林伸和・神戸大大学院教授(航海学)の分析で明らかになった。この台風で走錨したタンカーが、関西国際空港の連絡橋に衝突。若林教授は「大阪湾全体が危険な状態といえ、湾から避難すべきだった」と指摘している。 500トン以上の船舶の位置情報などを自動送信するAIS(自動船舶識別装置)のデータを、若林教授が調べた。関空島から約1.6キロ南東で停泊していたタンカー「宝運丸」(2591トン)は4日昼過ぎ、強風で流されて連絡橋に衝突した。この時間帯、大阪湾には51隻の停泊が確認され、うち33隻が走錨とみられる動きを示していた。数キロにわたって流された船が多数あっったとされる。
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