■はじめに サンガーノ、自由と優しさを求め続けた自己愛の画家。技術や技巧に頼らない本能だけのアート「新自由表現主義」の旗手は、どこからやって来て、そしてどこへと向かうのだろうか。本稿ではサンガーノの芸術の本質に迫ろうと思うが、まずその前に一個人としての生い立ちにフォーカスしてみたい。 書き始めて気づいたのだが、サンガーノは芸術家を志す以前も、数多くのエピソードを持っている。そのため、予想外に原稿にボリュームが出てしまうことになってしまった。サンガーノの過去については、既にご存知の読者も多いかと想像するが、個々のアート作品を評論してゆく上で、作者の生い立ちを振り返ることは不可欠でもある。退屈かも知れないが、我慢して読み進めてもらいたい。 ■サンガーノ、その生い立ち インターネット上の情報によると、サンガーノの本名は「宮森勇人(みやもり・はやと)」、出身地は石川県で、生年月日は1986年6月1