人名あるいは文学作品などで、「六花」と書いて「ゆき」と読ませることがあります。六角形の雪の結晶を花にたとえた、美しい表現です。 本書は雪に魅せられた殿様、下総国古河(しもうさこが)藩主・土井利位(どいとしつら)が、家老であり蘭学者の鷹見泉石(たかみせんせき)の指導を得て著した、日本初の雪の結晶の図譜です。顕微鏡を用いて観察・写生した結晶図をはじめ、結晶のできかた、雪の効用などが記されています。正続2編から成り、正編は天保3(1832)年、続編は同11年の刊行です。 利位は、大名の公務をぬって結晶の観察をすること20年余、雪が降るたびに外へ飛び出し、黒い漆器に雪をうけ、顕微鏡で検視しては結晶をスケッチしました。掲載された結晶図は総計183種。ふたつとして同じ形のない、繊細な雪の結晶の特徴がよくとらえられており、現代でも高い評価を得ています。 本書の刊行によって雪の結晶の神秘的な美しさを知っ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く