「あ~~、もう!!」 机の前で頭をかきむしっているのは藤本実生(ふじもと・みお)。「なんでこんなにうちの製品は種類が多いの! ポメラでしょ、ショットノートでしょ、ブギーボードにテプラもあるし……あああ、もうもうもうっ!!」 実生はキングジムで広報を担当している。彼女が悩んでいるのは「年末のボーナス商戦をどう戦うか?」という難題だ。今やファイル製品と「テプラ」が2本柱だったころのキングジムではない。最近はポメラ、ブギーボードなどの電子文具が増えた。それにショットノートやショットドックスといった、スマートフォンと連係する新しい文房具もラインアップが増えつつある。 要は、打ち出したい製品の種類が多すぎるのである。ひとつひとつの製品は面白くても、こう多かったらどれがどれだか、お客様に覚えてもらえないではないか。通常の製品紹介だけでは商品の持つ本当の魅力を伝えきれないのではないか。このままではせっか