「捲土重来」。1月16日に実施された台湾総統選挙を一言で表した時、これほどしっくり来る言葉はほかにないのではないだろうか。4年前の2012年1月14日、同じ総統選挙で蔡英文率いる民主進歩党(民進党)は、国民党が支持する馬英九に敗れた。降りしきる雨の中、大勢の支持者は顔を流れる雫が涙なのか雨なのか分からない状態で、蔡英文の演説――敗北宣言を聞いたのだった。 当時、支持者に対して「可以哭泣,不要放棄」(泣いてもいい、しかし諦めてはいけない)と励ましながら、「有一天我們會再回來」(いつの日か、我々は再び戻ってくる)と呼びかけた蔡英文は、見事に約束を果たした。 前回の総統選挙は馬英九が689万1139票、蔡英文が609万3578票と約80万票の差だった。今回は16日午後10時時点の集計では蔡英文689万票、国民党候補の朱立倫381万票と300万の差をつけた。 多くの台湾人が、中国と台湾にある政治的