『ディーバ』(DIVA/1981) ジャン=ジャック・ベネックスは、35歳の時に新人監督としては異例の3億円の製作予算を与えられ、『ディーバ』(DIVA/1981)を撮った。 従来のジャンル分けが成立しない不思議な映画だったせいと少々の不運もあって当初は反響も鈍かったが、次第に観客のクチコミや批評家たちからの絶賛に祝福され、1981年3月の公開以来2年以上もロングランを続けていく。すると翌年公開のLAやNYでも同様のことが起こった。 アメリカのニューズウィーク誌は「官能的で遊び心に溢れていて、こんな映画は今まで観たことがない。スピルバーグがジャン・コクトーとクロスオーバーしたようなものだ」と評し、ローリング・ストーン誌も「聖なる狂気の作品。コメディ、ロマンス、オペラ、さらには殺人事件まで」と驚いた。 世の中の出来事の多くを僕は恐れ、心配しているんだ。だけど僕たちは愛を信じ、人間として共通し