『デッドマン』(DEAD MAN/1995) 僕は自己分析する人間でも計算して何かを創るタイプでもない。自分の中から出てきたシンボルがどんな意味を持っているのか分からないし、分かりたくもない。脚本を書く時、僕は意味を考えすぎないようにしている。考えすぎると、そこにある詩が零れ落ちてしまうから。詩の儚さを大切にしたいんだ。 ジム・ジャームッシュの長編第6作にあたる『デッドマン』(DEAD MAN/1995)は、構想から7年の歳月をかけて完成させた傑作だった。ジャームッシュ映画にしては珍しく予算をかけて製作されたそうだが、役者を想定してから脚本作りに入るやり方は変わらなかった。主役のジョニー・デップと、ネイティブ・アメリカン(インディアン)のゲーリー・ファーマーをイメージしながら書いたのだ。ジョニーはジャームッシュの大ファンだったので、ろくに脚本も読まずに出演を決めた。悪いはずがない。 設定し
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