創業者の本田宗一郎を支え、ホンダを世界的な大企業に育て上げた参謀、藤沢武夫。長らく絶版状態だった同氏の著書がこのたび復刻された。ここから独自の経営哲学を読み取ることができる。 毎年、新入生を対象にした経営学の入門科目を担当している。入門科目ゆえ、専門的な用語を解説することよりも、企業経営の現場をイメージしてもらって、それに関心を持ってもらうことを主眼としている。少しでも学生のイメージをふくらませるため、授業では録画したテレビ番組などを視聴してもらう場合がある。毎年見直しをかけているのだが、「これだけは外せない」というもの、いわば「鉄板」が数本ある。 その1つが、本田技研工業(ホンダ)に関するものだ。同社の創業から、創業者である本田宗一郎とその補佐役の藤沢武夫の引退までをドラマ仕立てにしたものである。大昔に放送されたものだが、本務校のみならず、非常勤先の大学などの授業でも視聴させている。筆者