誰も説明できないのか-。東京電力福島第1原発1号機で12日午後3時36分ごろ、大きな爆発が起きた。東日本大震災と大津波に続き、原発の建屋の外壁が吹き飛ぶという前代未聞の事態。放射性物質漏えいは、人体への影響は。募る疑問に国、東電とも、何も答えぬまま時間だけが過ぎ、危機意識の欠如をうかがわせた。 経済産業省原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官らは爆発後、断続的に記者会見を開いたが、こわばった表情で「情報を収集しながら対策を検討したい」「詳細について確認中」と述べるだけ。 周辺住民の生命を脅かしかねない事態にもかかわらず、何を聞かれても「情報がない。確認中だ」と繰り返した。業を煮やした記者が「最悪の事態を想定していないのではないか」と声を荒らげても、「最大限努力する」としか答えず、かみ合わないやりとりが続いた。 これに先立ち記者会見した枝野幸男官房長官も同様に「しっかりと把握して対応したい」「