ここ数日は撮影で地方への出張が多くて疲弊。実は、今週も来週も似たようなスケジュールなので、どうしてくれようかと思案中。そんな中で、どういうワケか立て続けに恋愛に関する相談を受ける。「ああ、俺もそんな年齢になってしまったのだなぁ」と感慨にふけりつつも、「それなら、いっそのこと恋愛に関する文章でも書くか」と執筆を始めた直後に計画が頓挫。 その理由は明白で、恋愛という抽象概念が時代によって大きく変化してきたことにある。近代日本において、昭和の中頃まで恋愛とは反社会的というか、家父長制に反する行為であり、社会主義や変態プレイと密接な関連性があった。 ところが、労働人口に占める第一次産業の割合が低下し、女性の社会進出が進むに連れて、恋愛は次第に自明のものとして受け取られ、今では恋愛をしない、できない人間の方が変態扱いされる有様である。このコペルニクス的な価値観の転換は化粧に対するそれとよく似ている。