第43回 イスラエルを擁護する米国の本音 ~日本の外交は本当に強くなったのか 経済アナリスト 森永 卓郎氏 2006年8月7日 実験用のミサイルと人を殺すミサイル 去る7月15日、国連安全保障理事会(安保理)は、北朝鮮のミサイル発射を非難する決議案を全会一致で採択した。この間、日本は大きな役割を果たし、国内世論も日本政府はよくやったと評価する声が多かった。 日本が一貫して国連加盟国による北朝鮮への経済制裁や武力行使を可能とする国連憲章第7章への言及を最後まで主張したことによって、拘束力のない議長声明で済まそうとしていた中国やロシアも決議に加わらざるを得なかった。これは日本外交の大勝利だというわけだ。 霞が関や永田町も日本が国際社会をリードすることができたと自画自賛しているが、実は国連決議の3日前の7月12日に浮かれ気分を吹っ飛ばすような大変な事態が起きていたのだ。 レバノン