変わった色の食べ物に、どうしても魅かれる。 ピンクのウエハースのパン、パフェにかかった色とりどりのスプレーチョコレート、縁日の真っ赤なリンゴ飴、蛍光色のチョコバナナ……。 「ああいうの食べると身体に悪いのっ」 子供の頃、母はそう言って買ってくれなかった。許されたのは、ソーメンの中に混ざった、ピンクと緑の麺を食べることだけ。 赤いソーセージもピンクのでんぶも買ってくれなかった。幼稚園当時の私は、茶色と黒の地味な弁当箱を見つめては、ため息をついていた。 子供の頃に抑圧されたものは、大人になって反動が出る。 「そうだ、ごはんをカラフルにしてみよう。せっかくだから、普段いちばん食べない色にしてみよう。……青かな?」 私は食用色素を買いに出かけた。 食べ物の色を変えると、気持ちはどのように変化するんだろう? (text by 大塚幸代) 食用色素ゲット 色素は東急ハンズの製菓材料売り場にあっさりあっ