昨年の東京国際映画祭に出品され、一部のファンから熱烈な指示を得た『超強台風』という作品がある。ハリウッド映画や邦画では、一大ジャンルとして確立している感もあるディザスタームービー(災害映画)だが、中国映画・香港映画では、ほとんど前例がなかった。「この映画は中国初の本格的なディザスタームービー(災害映画)である」と宣言するフォン・シャオニン監督の言葉から、知られざる中国映画のVFX事情に迫った。 『超強台風』監督したフォン・シャオニン 時代を感じさせる特撮で新鮮な映像を創出 『超強台風』では、題名通りに超巨大な勢力を誇る台風が中国本土に発生して、甚大な被害を巻き起こす。映画では、この台風に翻弄される市民や自治体の姿が、ミニチュアワークを駆使したスペクタクル映像で描かれる。 『超強台風』のVFXは昨今のハリウッド映画や邦画の「VFX」とは明らかに違う。特撮がまだ「VFX」ではなく「SFX」と呼