嘘を垂れ流すTV番組のせいで超能力者が行方不明の人を探し出したり、未解決の事件を解決したりすると本気で信じている人が結構いるらしい。あんなのは大嘘である。たまに行方不明の人が見つかったりするが、見つけるのは番組が雇った探偵であり、TV局はさもそれが超能力によって見つかったかのように演出するのだ。超能力で見つかったことにしてしまうのである。それを喜んで見ている視聴者は、実に痛々しい。 「超能力番組を10倍楽しむ本」は、子供向けに書かれた本ながら、そうした超能力番組の嘘を一つ一つ丁寧に暴いた良書である。もっとも似非超能力者どもの手口が毎回似たり寄ったりで読んでると飽きてくるのが玉に瑕だ。もうちょっとバラエティ豊かなら良かったのだが。この本では、全米一と言われる透視能力者、ジョー・マクモニーグルの透視が超能力番組内で見事当たったように演出される様子を丁寧に検証している。ここではその概要を紹介した