オリンパスの損失隠し問題で、99年に公認会計士から含み損を抱えた金融商品の処理を急ぐように指摘され、当時社長だった岸本正寿元会長(75)が自ら損失隠しに関与した疑いが強いことが、同社の元財務担当幹部の証言でわかった。岸本氏は毎日新聞の取材に「含み損は特別損失として適切に処理し、損失隠しには関わっていない」と説明。だが、岸本社長時代の00年3月期決算に「出資金」として計上された約300億円について同社の第三者委員会は損失隠しに当たるとみて岸本氏から事情を聴いている模様だ。 ◇岸本氏は関与否定 同社の元財務担当幹部によると、同社は99年3月期の決算公表前、決算を監査する公認会計士から「2年後には時価会計基準に移行する。特金(特定金銭信託)勘定に関して会社として早く手を打つべきじゃないのか」と告げられた。特金はバブル期に各社が財テクのため投資した金融商品で、バブル崩壊で多額の含み損を抱えていたが