原発事故をめぐってはインターネット上などでは、デマやいたずらに恐怖心を煽る書き込みも目立っている。正しい知識で冷静に対処する必要がある。現時点で、人体に及ぼす影響や生活上の注意について、日本医科大学主任教授で内分泌外科部長の清水一雄医師に聞いた。 清水医師は、チェルノブイリ原発事故後の甲状腺がん発生に関する現地調査と医療支援活動に長年たずさわってきた。 「チェルノブイリの時の強制退去の範囲は半径30キロだった。今回もそれと同等のエリアになったことになる」とした上で、「最も危険な健康被害は甲状腺障害」と指摘する。「ただ、チェルノブイリの場合は住民のヨード(ヨウ素)の摂取量がもともと少なかったが、日本人にヨードが欠乏している人は少ない。その点では単純に比較はできない」とも。 事故で「放射性ヨウ素」を多量に吸入すると甲状腺に集積して、甲状腺がんなどを発生させる可能性が出てくる。このため、予