3月27日に、私は新型コロナウイルスに対する抗体検査の開発への期待を込めたコラムを書いた。私だけでなく、多くの人々が同じような期待を抱いていることを知った。私自身は毎日のようにantibody testという検索用語でweb検索を行っていて、残念ながら期待どおりに開発が進んでいないという悲しい状況を目の当たりにしている。 国立感染症研究所の報告について思ったこと 4月1日付で、国立感染症研究所が、市販(A社製)の抗体検査について、新型コロナウイルスの患者の血清を用いて、IgM抗体とIgG抗体(ここに解説がある)の陽性率を発症後の日数ごとに追いかけている。IgG抗体は発症から9~12日では陽性率が52.4%にすぎず、発症後13日後から96.9%になっている。陽性になるタイミングが遅く、この抗体検査が臨床における簡易検査としては有用でないことを示唆している。 この報告を踏まえると、この抗体検査
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