ちなみに、同社の新卒採用予定者数は150名だった。つまり、入社試験受験者の2.4%しか合格せず、また、同社は採用予定の14%しか確保できなかったたわけだ。これは、「狭き門」である、学生の就職人気企業ランキング上位社の話ではない。同社の採用レベルに達した学生の数が受験者の2.4%しかいなかったという、背筋が寒くなるような話なのだ。 日本の労働市場では、このような人材採用難が企業の大小、業種を問わず発生している。この原因は「雇用ミスマッチ」にあるといわれている。そして、雇用ミスマッチの顕在化が、派遣社員をはじめとする非正社員の需要に拍車をかけ、雇用の流動化をさらに推し進めているのだ。 専門性の高い職種は人材不足、低い職種は人材過剰が鮮明に ニッセイ基礎研究所の研究によれば、失業率は景気変動による「需要不足失業率」と、労働市場の構造的要因による「構造失業率」の2つで構成されている。かつての高度経