去る6月24日、シアトルでMicrosoftのビル・ゲイツ氏が一線からの引退に際して記者会見を行なった。一時代を築いたMicrosoftが、新しいフェイズへと変化するために乗り越えなければならない儀式といった報道が多いが、それ以外のさまざまな出来事やトレンドも考えあわせると、PC業界全体が1つの節目を迎えているように思える。 PC業界が今後、大きくしぼんでいく前触れという人もいるが、筆者はそうは思わない。確かに“PC業界のルールが変化する”時期ではありそうだ。しかし秩序が変化し、支配者が変化するからといって、業界が滅びへと向かうわけではない。大げさに言えば、PC業界は新しい秩序の中で従来とは異なる進化を求められているのだと思う。 ●独自性を失ったMicrosoft いまだに「強引な経営手法で競争相手を震え上がらせた」と表現されるゲイツ氏。しかし、長い間Microsoftを取材し、ゲイツ氏と