[要約] ナガミヒナゲシはアレロパシー活性が強く、改良FAO方式で評価した侵入後の雑草化リスクが大きい。現在日本全土に急速に分布を広げており、農地への侵入もみられます。未熟な種子からの再生も可能なので、防除には開花前の駆除が重要です。 [背景と目的] ナガミヒナゲシは1961年に世田谷区で発見された外来植物で、近年道路沿いに急速に広がっています。花が美しいので好まれ、意図的に増やされることもありますが、繁殖力が強く雑草化のおそれもあります。そこで、この植物の発見時から現在に至る分布拡大状況を明かにするとともに、化学生態的特性と雑草性リスクを調べました。 [成果の内容] ナガミヒナゲシの分布域の推移を、インターネットを利用したアンケートと全国各地の標本調査で調べた結果、1961年の発見以後、徐々に分布域が広がり、2007年現在では東北以南のほぼ日本全土に広がってきたことがわかりました(図1)