世田谷文学館で本日から開催された「筒井康隆展」僕と同時間帯に来館されていた客層は僕(53歳)よりも年上の人、同世代の人、老けた若い人、若い服装をした御婦人、本当に若い御婦人、初老のご夫婦。「俺こそは、私こそは筒井康隆の真実の価値を、作品に秘められた芸術性を一番理解している」とまんまと筒井康隆その人の思惑通りに誤読し続けている強者ばかりだったと思う。 初老のご夫婦は奥様の「全部持ってるのよね」という言葉ににやりとしながら「ひとつも抜けることなく」と平然と(少し自慢げに)答えている旦那さんの姿がかっこよかった。「ひとつも抜けることなく」ですよ。全集だってあるし傑作集もあるし文庫だって短編の傾向ごとに編まれていたりとか絵本だって。実際にはさらにLPがあるしお芝居の舞台にも立たれているし主宰されていた同人誌やファンクラブの会報や限定版もあるしそれはさすがに、なのだろうけれど新刊が出るたびに書店で手