旅する絵本 「漂流物」 多部未華子さん2009年10月3日■古いカメラが広げる夢 NHK朝の連続テレビ小説「つばさ」のヒロインをつとめ、深いまなざしが印象的な多部未華子さん。本の情報誌に連載するほど読書好きだ。 「小学生の頃から図書館がすごく好きで、よく行きました。高学年になると伝記物。キュリー夫人やヘレン・ケラーを読んでいましたね」 いま本を読むのは、気持ちに余裕がある時か、眠る前。最近のおすすめは絵だけの絵本『漂流物』(D・ウィーズナー作、BL出版・1890円)。金髪の少年は、浜辺に打ち上げられた古いカメラを見つける。中のフィルムを現像すると、ソファでくつろぐ大ダコに、クジラより大きなヒトデ、時代を超えたさまざまな国の子どもたち……。想像もつかない風景が写っていた。 「海の中の未知の世界に、驚きました。色もきれいだし、文字がないから、絵の中の少年の表情をひとつひとつ読み取りたくなるし。