トラディショナルでありながら、オルタナティブ。機械に頼りすぎず、さりとて、手製にこだわり過ぎないという絶妙のバランス感覚でユニークな革製品を世に送り出してきた池之端銀革店。その発想の原点とは。 大人の遊び心を満足させる ギミックの効いた小銭入れ 小銭入れはあると便利。でも、なかなか満足いくものと出会えないという嘆きをよく耳にする。思いのほか、かさばるというのも一因のようだ。しかし、池之端銀革店の回転式コインパースは見るからに“らしからぬ”風貌。内側の革が回転し、小銭をすくい上げる。ベルトループに通して腰にぶら下げたり、バッグの持ち手につけるなどといった使い方もできる。 「うちはもともと、財布ではなく、ベルトが専門です。だからこそ、大手の財布メーカーでは作れないような面白い財布を作りたい」と語るのは代表の小野勝久さん。20歳の頃、ベルトメーカーに就職し、革の基本を叩き込まれる。独立後、これま