最新の製法で作られたApple Watchの外装。しかしより重要なのは、この「時計」が、生半な時計以上のパッケージングを備えた点にある。現在、「時計のような」プロダクトを作るのは難しくない。しかし時計としてのパッケージングを与えるのは、40年前も、そして現在も容易ではない。 Apple Watchの開発にあたって、Appleはドミニク・フレションを招聘し、時計に関するレクチャーをさせたと聞く。スイス時計業界最高の碩学である彼は、いわば時計業界の「人間グーグル」だ。フレションが何を話したのかはわからないが、おそらく懐中時計から腕時計への変化と、それがライフスタイルにもたらした影響を語ったのだろう。彼の著書“The Mastery of Time”を読む限り、筆者はそう推測する。このエピソードが示すものは明確だ。Appleは、スマートウォッチを作るのではなく、腕時計を本当に再定義する気なのだ、