小島慶子(こじま・けいこ)/タレント、エッセイスト。1972年生まれ。家族のいるオーストラリアと日本との往復の日々。近著に小説『ホライズン』(文藝春秋)。最新刊は『るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記』(講談社)。この記事の写真をすべて見る タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。 * * * 私はオーストラリアが白豪主義という白人優位の政策をとっていた1972年に、商社勤務の父の赴任先である西オーストラリア州のパースで生まれ、3歳まで育ちました。当時のパース駐在の日本人は200人ほどだったとか。 ちなみにオーストラリアには1800年代に入植して真珠の養殖などに従事した日本人たちの子孫である、日系オースト