韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は28日午後(日本時間29日未明)、ワシントンに到着した。機中で韓国人記者団に対し、米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD〈サード〉)の韓国配備について「米中を同時に満足させる方法は何か。その方法を見つけるのが我々の課題であり、今回の首脳会談から模索が始まる」と語った。 文氏の発言により、韓国が30日の米韓首脳会談でも結論を先送りする可能性が高まった。韓国政府は首脳会談を通じて意見の食い違いが顕在化することを懸念しており、韓国大統領府は「THAADは会談で大きな問題にならない」(関係者)としていた。 韓国政府は、THAADの年内完全配備を求める米国と、配備に反対する中国双方を満足させられない状況が続いている。韓国は完全配備に先立ち、1~2年かかるとされる配備先の環境影響調査を実施する考えだ。