<自由の女神が見守るニューヨーク湾のエリス島からは1200万人、現在のアメリカ人の4割の祖先が移民として入国してきた......そしてあの大統領のおじいさんも> ニューヨーク湾にそびえ立つ自由の女神。マンハッタン島の最南端から、ちょっと遠くて意外と小さいけどきれいに見える。ただ不思議に思えるのは、なぜか顔はブルックリンのほうに向いているということ。 その理由は、女神の台座に刻まれた女流詩人エマ・ラザラスの詩を見れば分かる。それは、Give me your tired, your poor, your huddled masses(疲れ果て、貧しく、身を寄せ合う群衆を私に送りたまえ)と、世界からの移民を招き入れる内容。悲惨な状態で自由を求めてアメリカにやって来る人のために、女神が玄関口を照らしているという。 だから、彼女の顔はマンハッタンにも、アメリカ本土にも向いていない。正確に言うとブルッ