1979年に起こったメッカ事件についてはなかなかいいテキストが無いなとは思っていたのだが、30年以上の歳月が過ぎてなんとその入門書兼決定版みたいな本が出た。事件に関与したわけでもないが、事件に全く関係ない訳でもないオサマ・ビン。ラディンが殺害されたからということでもないのは、文芸社からということでも分かるのだが、文芸社らしからぶハードカバー、高紙質、そして著者は事件当時にJICAサウジアラビア事務所長だったというアラビストとくれば、正に「らしくない本」である。ということで、このブログで★1が定番の文芸社本にあって初の(たぶん)★3にしたのだが、初心者向けに書いたとのことでイスラームの成り立ちから、サウジ事情まで補足をコラムで繋ぐのも本格的。帰任した80年代に原稿は書き上げたそうだが、諸般の事情というより、勤務上の理由で原稿が30年も眠ってしまっていたのではないだろうか。現在は大学教員、そし